研究概要 |
厚生生労働省院内感染対策サーベイランス(JANIS)事業において、全国数十の医療施設から院内感染の発生状況を把握するデータが収集されている。しかし、臨床現場が求めているような具体的な実際的な情報の還元がおこなわれておらず、そのための疫学的評価システムの構築が要望されている。本研究の目的は、院内感染サーベイランスにデータマイニングを応用して、院内感染サーベイランスの評価とアウトブレイクの効果的検出を実現する疫学的評価システムを構築することにある。 本年度はJANIS事業のICU部門の大規模コホートデータを用いて、院内感染サーベイランスにて収集したデータの集計解析における統計学的従来法とデータマイニング法の適用について検討した。また、現場のスタッフの情報収集の労力を減らし、院内感染サーベイランスを効率的におこなうために、病院情報システムの活用について検討した。 1.ニューラルネットワークを用いて統計学的従来法(多重ロジスティック回帰モデル)よりも予測精度が優れたアウトカムを予測するモデルを構築した。(IMECS 2007発表) 2.ニューラルネットワークを用いて観察開始時点の情報と観察終了までのイベントの情報からアウトカムを予測するモデルを構築した。(MEDINFO 2007発表) 3.上記の1と2の結果をもとに、ニューラルネットワークを医学的データに適用してアウトカムを予測するモデルを構築する手法にっいて本の章にまとめた。(Trends in Intelligent Systems and Computer Engineering, Springer,2008) 4.病院情報システムにある情報から院内感染発生率を算出できるか検討した。(環境感染2007) 5.サンプリングにより院内感染発生率の分母のディバイス装着日数を推計する方法を提案し、予測精度を評価した。(日本環境感染学会2008発表、日本衛生学会2008発表) 6.一連の研究の成果を総説にまとめた。(Environmental Health Preventive Medicine,2008)
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