研究課題
若手研究(B)
ヒト健常者より採取した末梢血サンプルから臨床使用可能規格の制御性CD4^+CD25^+細胞分離システムを開ぐ、発する目的にビオチン化抗ヒトCD25抗体(Basiliximab ; Simulect, Novaltis社)を用いてMACS分離装置にてCD25^+細胞(%CD4^+CD25t^+ purity 86%)を回収した。さらに、そのフェノタイプとex vivoにおける制御性T細胞としての機能発現を解析したところ、研究用抗ヒトCD25抗体を用いた既知の結果と同様に制、御性T細胞機能を有することが明らかとなった。すなわち、臨床応用レベル抗ヒトCD25抗体により十分に制御性T細胞を回収することが可能であることを証明した。さらに、臨床応用ビーズ抱合化抗ヒトCD25抗体の安全性を確認するためマウスに投与し、肝逸脱酵素値および血清鉄値の上昇の有無の確認と全身状態の観察を行った。その結果、大量のCD25陽性細胞および鉄性ビーズの投与による変化は認められなかった。また、マウス腸炎モデルを用いて、制御性T細胞移入による腸炎制御機構の解明のため研究を継続した。特に本年度は、臨床的にリンパ節廓清後の炎症性腸疾患再発の事実に鑑み、炎症責任細胞と制御性T細胞の機能発現機構とリンパ節の存在意義について考察した。我々は全身のリンパ組織を欠損する遺伝子組み換えマウス(リンフォトキシンa遺伝子xRAG-2遺伝子2重欠損マウス)を作成し、このマウスに炎症惹起性CD4+T細胞と制御性T細胞を共移入し、慢性大腸炎発症の有無を検討した。その結果、炎症性腸疾患発症にリンパ節は必須ではなく、制御性T細胞もその機能発現にリンパ節を必要とせず、腸管局所で機能する可能性を明らかにした。
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