研究課題/領域番号 |
18790449
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
山崎 元美 医科歯科大, 医歯(薬)学総合研究科 (40376794)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 免疫学 / 炎症性腸疾患 / 粘膜免疫 / トランスレーショナルリサーチ |
研究概要 |
本研究は、腸管免疫機構の破綻により発症すると考えられる慢性大腸炎、骨髄移植後移植片対宿主反応、サイトメガロウイルス腸炎等における病態解明および免疫異常の追求を行い、それを元に正常の腸管免疫組織の発生・分化、免疫抑制機構を追求する新しい試みを行うことを目的とするものである。本研究では、当初の研究計画に示した項目につき、下記に示すごとく大きな研究成果が得られた。骨髄移植後に移植片対宿主反応(GVHD)を早期発見するために大腸内視鏡によるスクリーニングを行った際、男性ドナーから骨髄移植を受けた女性レシピエントの腸管上皮生検組織を採取し、腸管上皮stem cellが骨髄由来であるかを確認するために性染色体XおよびYをFISHにより染色により追求した結果、女性レシピエントめ腸管上皮生検組織にはYFISH陽性細胞、すなわち男性ドナー由来の腸管上皮細胞が存在していることが明らかとなった。さらに、GVHDによる炎症部位では、男性ドナー由来の腸管上皮細胞が多数認められた。次に、この細胞がどのような細胞に分化しているかを検討した。GVHDを認めなかった検体では骨髄由来上皮細胞は吸収上皮で占められていたのに対し、急性もしくは慢性GVHDを認めた検体では神経内分泌細胞、肺細胞およびバネット細胞が増加していることを見いだした。次に、腸管局所免疫機構の特殊性を利用した新しい治療法の開発を目的として、慢性大腸炎モデルマウスの局所に浸潤しているIL-7レセプター(IL-7R)高発現の活性化粘膜 内T細胞を標的として、抗IL-7R抗体に植物毒であるサポリンを結合させた抗体を作った。このサポリン結合抗IL-7R抗体を慢性大腸炎モデルマウスに投与したどころ著しい改善が認められた。この結果から、炎症局所に浸潤しているIL-7R高発現細胞を標的とした新規治療法の可能性が示唆された。今後は、さらなる新規治療法の開発や上皮細胞と粘膜内リンパ球の相互作用などを検討していく予定である。
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