研究課題
若手研究(B)
C57BL/6マウス由来の大腸癌細胞株MC38を同系マウスへ経脾経門脈的に接種し成立させた肝内播種巣には浸潤リンパ球がほとんど認められなかった。そのため、よりヒト悪性腫瘍に類似した免疫応答を伴う癌モデルの開発を試みた。C57Lマウス由来の肝細胞癌株Hepa1-6を経脾経門脈的に2x10^6個のHepa1-6細胞を投与したC57B1/6マウスの一部に、56日後にHepa1-6腫瘍の肝への著明な播種を認め播種癌部へのリンパ球浸潤が認められた。このHepa1-6肝内播種巣を回収し、in vitroにて、2種類の細胞株Hepa1-6clone Aおよびclone Bを樹立した。Hepa1-6 clone Aは、ケモカインCCL20、CCL2、またinterleukin 13 receptor,alpha、IL-4 receptor,alpha、IL-12 receptor,beta、CDld、CD81の発現低下が認められ、宿主の免疫防御機構に対する抵抗性が推測された。Hepa 1-6 clone Aを脾臓へ5x10^6個接種させたC57BL/6マウス(♀、8週齢)を接種後23日後に開腹、肝内に播種された腫瘍には組織学的にリンパ球の浸潤が認められた。本研究において、免疫担当細胞の遺伝子発現プロファイル解析による癌に対する免疫応答を解析するより有用なモデルが確立された。同マウスの末梢血液をRNA安定化剤へ収集しRNAを抽出し、DNAマイクロアレイを用いて担癌状態におけるマウスの末梢血液細胞の遺伝子発現を解析中である。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Biochem Biophys Res Commun 361
ページ: 379-384
J Immunol 178巻1号
ページ: 574-583