• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

Toll-like receptorを介した自然免疫による炎症性腸疾患の制御

研究課題

研究課題/領域番号 18790468
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 消化器内科学
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

片倉 響子  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70423788)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
キーワード炎症性腸疾患 / 自然免疫 / Toll-like receptor / IFN-α / SNPs / Toll-likereceptor
研究概要

炎症性腸疾患(IBD)患者の末梢血単核球(PBMC)を分離し,異なるToll-like rcceptor (TLR)リガンドに対する反応性の差異を検討した。また,潰瘍性大腸炎(UC)患者およびクローン病(CD)患者のTLR9の遺伝子配列を解読し,健常人のTLR9遺伝子の変異、多型(SNPs)と比較し,IBDの臨床的特徴との関連について検討した。対象はUC50人,CD9人,健常人50人であった。
(1)血清中のTNF-αの濃度は,UC患者およびCD患者において高値であったが,IFN-αの濃度は健常人と比較し有意差を認めなかった。(2)検討した全てのTLR(2,3,4,7,9)について,IBD群と健常人群を比較したが,mRNA発現に差異を認めなかった。(3)TLR9のリガンドであるCpG DNAの刺激により,UC群のPBMCによるIFN-α産生が,他の群と比較して有意に低値であった。一方,TNF-α産生に関しては有意差を認めなかった。(4)遺伝子のTLR9領域において,-1486TC,1174AG,2848GAの3個のSNPsが検出された。(5)これらのSNPsとIBDの発症リスクを検討したところ,UCの発症リスクとの間に関連が認められた。(6)遺伝子型の相違によるUCの臨床的特徴(性別,発症年齢,腸炎の部位,腸炎の重症度)について検討したが,明らかな関連は認められなかった。尚,TLR9を介したIFN-α産生経路と上記3個のSNPsとの関係については検討していない。
以上をまとめると,UCにおいてTLR9を介するIFN-α産生経路の機能異常が認められ,TLR9のSNPsがUCの発症リスクに関与していたことから,TLR9を介した自然免疫系の異常がUCの発症につながることが明らかとなった。これまでの報告ではNOD2の遺伝子変異が欧米のCD患者でな発見されていたが,日本人のCD患者では認められていなかった。今回の検討で,日本人の炎症性腸疾患に関して,NOD familyと同様に病原体の構成成分の認識に関わるTLR,特にTLR9がUCの発症に深く関わってくることが初めて明らかとなり,IBDの病態解明の一助になることが考えられ,またUCの発症に関しての予測や,発症予防の開発につながっていくことが期待される。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 1.Differential effects of PBMC in IBD patients to Toll-like receptor 9 ligand 2.Toll-like receptor 9 gene mutation and polymorphisms in Inflammatory Bowel Disease.2007

    • 著者名/発表者名
      片倉 響子, 菅野 香
    • 学会等名
      第49回日本消化器病学会大会 第15回ヨーロッパ消化器病週間
    • 発表場所
      神戸 Paris,France
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

URL: 

公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi