研究課題/領域番号 |
18790475
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
山科 俊平 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30338412)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | C型肝炎 / オートファジー / 化学療法 / アポトーシス / 肝炎症 / 肝線維化 |
研究概要 |
1)肝組織内におけるオートファジーとC型肝炎ウイルス量・肝炎症・線維化・治療効果との相関についての検討 昨年度にひきつづき、症例数を増やしインターフェロン(IFN)導入前C型慢性肝炎患者の肝細胞内オートファジーの数量的評価を電子顕微鏡観察にて行い、HCVウイルス量やIFN感受性・肝炎症や線維化との相関を統計学的に解析し検討を行った。C型慢性肝炎28症例の解析では、ウイルス量と肝細胞質内オートファゴソーム数は統計的有意差をもって正の相関を示し、ウイルス量が多いほどオートファジーが亢進することが証明された。一方、肝炎症や肝線維化に関しては有意な相関を示さなかった。IFN治療効果に関する検討は、多くが1b型症例であった為に治療期間が48週間必要なため解析途中である。しかし臨床的にウイルス量が多いほど治療抵抗性になることからオートファジーが誘導されるほどIFN治療抵抗性を示すものと推測された。 2)HCV感染下でのオートファジーと細胞死の関与の解明 HCV repliconを導入した肝腫瘍細胞(Feo1b細胞)ならびにIFN処理によりHCV repliconを消失させたCured Feo Ib細胞を準備し、Mitomycin C,Farmorubicin,Cisplatinをそれぞれ添加し、HCV replicon存在がこれら抗癌剤による細胞死に影響を与えるのかについて検討を行った。これら薬剤添加24時間後では細胞数は濃度依存的に有意に減少し、細胞内cleaved caspase-3発現量が増加した事からアポトーシスを来たしたものと推測された。しかしFeo1b細胞とCured Feo1b細胞間ではこれら全ての抗癌剤による細胞死に有意差は認められなかった。HCVreplicon導入細胞ではオートファジーが誘導される事を昨年報告したが、本研究結果よりHCV感染によるオートファジー誘導は化学療法による細胞死に影響を与えないものと推測された。
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