研究課題/領域番号 |
18790518
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
守下 敢 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (40412639)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / 遺伝子改変動物 / 動脈硬化 / 新生内膜形成 / 収縮性リモデリング / ずり応力 / 遺伝子改変マウス / 冠動脈 / レニン-アンジオテンシン系 |
研究概要 |
一酸化窒素(NO)合成酵素(NOS)には、内皮型NOS(eNOS)、誘導型NOS(iNOS)、神経型NOS(nNOS)の3種類のアイソフォームが存在する。研究代表者は、過去に、eNOSやiNOSに加えて、nNOSも重要な血管保護作用を有することを見出した(FASEB J 2002)。しかし、抗動脈硬化機構におけるNOSシステム全体の意義は不明である。この点を検討するために、研究代表者は、3つのNOSsをすべて欠失させたNOSシステム完全欠損マウス(トリプルn/i/eNOSs欠損マウス)を世界に先駆けて創出した(PNAS2005)。本研究では、このマウスにおける血管病変形成を検討した。2ケ月齢のオスのマウスを実験に使用した。血管病変形成の程度は、Masson-trichrome染色及びhematoxylin-eosin染色により評価した。マウスの一側の頚動脈を結紮し血流を途絶すると、2週間後には、結紮近位部頸動脈に、新生内膜と収縮性血管リモデリングが形成された。しかし、これらの病変形成の程度はいずれも、野生型マウスに比してトリプルNOSs欠損マウスで有意に増悪していた。新生内膜形成の増悪は、nNOS欠損マウス及びeNOS欠損マウスにも認められ、また、収縮性血管リモデリングの増悪は、nNOS欠損マウス及びiNOS欠損マウスにも見出されたが、重要なことに、これらの病変形成の程度はトリプルNOSs欠損マウスで最大であった。 以上より、NOSシステムが、協調的な各NOSの相互作用を介して、重要な血管保護作用を発揮していることを初めて明らかにした。
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