研究課題/領域番号 |
18790561
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
奥田 智彦 京都大学, 医学研究科, 助教 (90360817)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 腎臓 / BMP-7 / 移植・再生医療 / BMP |
研究概要 |
腎発生に必須の因子であるBMP-7は、成体においても腎障害を軽減させるなど腎保護効果があることが知られている。研究代表者の所属するグループにおいては、BMP-7およびBMP-4の、さらにいくつかのBMPアンタゴニストのコンディショナルノックアウトマウスを世界各地の共同研究者からすでに入手し維持・繁殖させており、これらのBMPと腎保護効果を成体マウスで検証することを目指している。これまでに、Inducible Cre-LoxPトランスジェニックマウスとBMP-7あるいはBMP-4コンディショナルノックアウトマウスとの交配を行い、実際にTamoxifen投与によるノックダウンの効率の確認を行ったところ、成体腎において野生型に比し10〜20%程度の発現量まで遺伝子発現をノックダウンさせることができた。そこで本年度は、腎障害とBMPsとのかかわりについて実証的に検討を加えた。まず、Inducible Cre-Lox遺伝子をもつコンディショナルノックアウトマウスにTamoxifenを投与し成体でBMP-7あるいはBMP-4をノックダウンさせた状態で、実際にシスプラチン投与や片側尿管結紮、あるいは虚血再灌流といった腎障害を惹起させたときの反応を解析した。その結果、BMP-7ノックダウンマウスにおいて、腎障害の程度は野生型マウスとほとんど差が無く、BMP-7の抑制による効果はあまりみられなかった。これは、成体ではBMP-7の腎保護効果は、野生型の10%程度で十分発揮されているか、あるいは本年度の解析により施行された腎障害モデルに対しては、野生型でも保護効果を発揮するに十分でなかったのかもしれない。しかしながら、Inducible Cre-Loxシステムによる遺伝子改変システムは、細胞系譜の追跡や標的遺伝子の必要時期の解析にきわめて有用なツールであることは間違いなく、今年度得られた成果を元に今後さらなる応用・解析法の探索を行いたい。
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