研究課題/領域番号 |
18790601
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 重明 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50276242)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 重症筋無力症 / 抗Kvl. 4抗体 / 抗titin抗体 / 免疫沈降法 / 筋炎・心筋炎 / 筋病理 / 抗Kv1.4抗体 / 抗AChR抗体 |
研究概要 |
我々は2005年に重症筋無力症(MG)患者血清において横紋筋由来の電位依存性カルウムチャネルの2サブユニットの1つであるKv1.4に対する新規自己抗体を同定しMGの重症度と関連することを報告した。昨年までの研究では、209例のMG患者血清を対象としてAChR、titin、Kv1.4に対する自己抗体を測定し、その出現パターンからMGの分類を行い、臨床像との関連につき検討を行った。MG患者209例において抗AChR抗体、抗titin抗体、抗Kv1.4抗体はそれぞれ150例(72%)、50例(24%)、26例(12%)に検出された。臨床像との関連からこれら自己抗体の臨床的意義について検討を進めた。発症年齢では、anti-titin group は高齢MGと、anti-AChR group は若年MGと関連していた。胸腺腫の頻度は、anti-Kv1.4 group、anti-titin group、anti-AChR group の順で高率であった。病型ではseronegativegroupで眼筋型が多かった。球症状とクリーゼの既往については、anti-Kv1.4 group において最も頻度が高かった。またMGFAによる臨床病型で分類した場合でも、anti-Kv1.4 group で重症例が多いことが明らかになった。以上より複数の自己抗体を測定することにより、MGにおける病型分類が可能であり、免疫抑制剤や拡大胸腺摘出の施行などの治療法の選択や予後判定において有用であることが示唆された。 抗Kv1.4抗体のもうひとつの臨床的意義としてMGには致死的な合併症となる心筋炎や筋炎の合併する指標となることが考えられている。他施設との共同研究により筋炎・心筋炎合併MGの臨床像ならびに筋病理、免疫学的背景についての研究を開始している。 Kvl.4やリアノジン受容体に対する自己抗体が高頻度に検出されている点から病態への関与が示唆される。
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