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社会性ストレスによる,辺縁系ニューロンの細胞死促進機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18790607
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 神経内科学
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

國本 正子  国立精神・神経センター, 神経研究所診断研究部, 研究員 (30350135)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードストレス / 脳神経疾慮 / 痴呆 / 脳神経疾患
研究概要

変異遺伝子-環境の相互作用により露呈するストレス脆弱性が認知機能障害発症促進の一因となるか,慢性不連続性ストレス系(前年度確立)を用いて,家族性アルツハイマー病(AD)関連分子の変異遺伝子過剰発現マウス(Tg)と野生型間で比較し,検証した。
1,ストレス脆弱性誘導に関与する分子の検索
辺縁系組織において,Tg と野生型で発現パターンの異なる遺伝子を gene chip により網羅的に検索した。Tg マウスでは,イオンやビタミンの輸送,ストレス応答,神経可塑性などに関与する遺伝子の発現レベルが非ストレス下において高く,これらの発現はストレスにより低下していた。この結果から,Tgでは,平常時にストレス応答や代謝に関与する遺伝子群の発現レベルを野生型よりも高くすることで,その個体のストレス脆弱性を補っており,ストレスによりこれらの防御遺伝子群の発現が低下することで,その脆弱性が露呈し,疾患発症につながる可能性が示唆された。
2,認知機能関連回路上の神経細胞に対するストレスの影響
海馬歯状回の神経前駆細胞を中心として,認知機能関連回路上の神経細胞に対するストレスの影響を調べた。Tg では,ストレスにより,若年から海馬歯状回における神経前駆細胞の機能的な神経細胞への成熟過程の遅れが促進されており,認知機能関連回路上の複数の領域において変性細胞が顕著に増加していた。これらの結果から,ストレスにより傷害された海馬歯状回神経細胞の補充が遅れることが,認知機能障害発症促進の一因となる可能性が示唆された(論文投稿準備中)。歯状回神経細胞成熟の遅れを引き起こす原因分子は,新たなAD薬開発の標的となる可能性がある。さらに,本課題で確立した慢性不連続ストレス系を用いた変異遺伝子-環境相互作用の一連の解析法は,これまで変異遺伝子発現のみでは表出しなかった様々な疾患発症機序の解明に有用であろう。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Chronic stress arrests the maturation of hippocampal neuronal progenitors in mice overexpressing an AD type presenilin 1(PS1)2007

    • 著者名/発表者名
      Shohko Kunimoto
    • 雑誌名

      Neuroscience Research 58

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] AD変異型プレセニリン1過剰発現マウスの海馬神経前駆細胞は慢性ストレスにより分化抑制される2007

    • 著者名/発表者名
      國本 正子
    • 学会等名
      第30回日本神経科学大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-09-11
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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