研究課題/領域番号 |
18790627
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
小林 泰子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (40418926)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 糖尿病 / C-ペプチド / 血管平滑筋細胞 / 糖尿病性血管障害 |
研究概要 |
本研究では、糖尿病患者における動脈硬化進展におけるプロインスリンC-ペプチドの治療的効果を明らかにする目的で、血管平滑筋細胞におけるC-ペプチドの直接作用の分子メカニズムについて、特に動脈硬化関連経路を中心にインスリンと比較検討した。以前よりインスリンが動脈硬化を進展させる可能性が指摘されているが、インスリンとともに膵β細胞より等モル分泌されるC-ペプチドは、培養ヒト大血管平滑筋細胞(hSMC)に対し、様々なインスリンとは異なる作用を示した。インスリンとC-ペプチドともにERKのリン酸化を増加させるが、 C-ペプチド投与は高グルコースによる増殖能を濃度依存性に抑制したが、インスリンには抑制効果は認められなかった。またインスリンがAktのリン酸化を増加させるのに対し、C-ペプチドがコントロールに比較し有意に低下させた。一方、C-ペプチドがSmall GTPase Rhoを活性化させ、その基質であるMyosin-binding subunit of myosin phosphatase (MBS)をリン酸化するのに対し、インスリンはRhoの活性化に影響を与えなかった。こうした事実は、正常体内においては、インスリンはC-ペプチドとともに分泌されることにより、インスリンの持つ動脈硬化進展作用に抑制をかけている可能性を示唆する。1型糖尿病ではインスリン治療を行ってもC-ペプチドは欠乏状態にあり、こうしたC-ペプチドの有無が糖尿病性血管合併症の進展に影響を及ぼしている可能性がある。
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