研究課題/領域番号 |
18790653
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
東 太地 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (10396252)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 細胞傷害性T細胞 / T細胞レセプター / 遺伝子治療 / がん免疫療法 / HLA / 造血器腫瘍 / 細胞免疫療法 / 白血病 / 悪性リンパ腫 / 細胞障害性T細胞 |
研究概要 |
T細胞レセプター遺伝子導入による造血器腫瘍に対する新たな免疫療法の開発を行う目的で研究を遂行し、下記の結果が得られた。 我々がすでに樹位したWT1特異的HLA-A24拘束性CTLクローンTAK-1からTCR-αおよびTCR-β遺伝子をRT-PCR法によって単離した。さらに、レンチウイルス発現ベクターに組み込み、WT1CTL由来TCR発現ベクターを作製した。健常人末梢血CD4およびCD8陽性T細胞に遺伝子導入したところ、60〜80%にTAK-1由来TCRの発現が確認された。TCR遺伝子導入CD8陽性T細胞は、HLA-A24拘束性WT1ペプチド特異的細胞傷害性を発揮した。さらに、さまざまな白血病細胞や胃髄腫細胞に対してHLA-rA24拘束性細胞傷害性を示した。他方、CD4陽性細胞もHLA-A24拘束性にTh1サイトカインを産生したが、この反応には白血病細胞にHLAクラスIIの発現が必要であることが示唆された。そこで、HLAクラスII陰性白血病細胞株にCIITA遺伝子を強制発現させ、新たにHLAクラスIIを発現させた白血病細胞株を作成したところ、これらの白血病細胞の反応が誘導されることが確認された。以上のことから、high affinityを有するCTL由来TCR遺伝子導入によって、CD8陽性T細胞のみならず、CD4陽生T細胞もHLAクラスI拘束性がん特異性を獲得することが明らかとなった。ほとんどの白血病細胞はHLAクラスII陽性であることを考えると、白血病に対する効果的な免疫遺伝子治療法となることが考えられる。 本研究によって、がん特異的FCR遺伝子導入療法は、本来CTLエピトープとして同定されたペプチドをへルパーT細胞エピトープとしても共有できることが示され、きわめて効率の良い細胞免疫療法が確立できることが明らかとなった。現在、さらに、動物モデルを用いて、その検証を行っている。
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