研究概要 |
<方法> 前年度にα-galactosylceramide(αGC)投与によるGVL効果の増強を確認できたので、今年度はそのメカニズムを追求した。まずαGC投与によるGVL効果の増強がドナーのNKT細胞に依存するか否かを確認するため、ドナーをB6-CDld knockoutマウス(H-2^b)、レシピエントはB602F1(H-^<2b/d>)を使用し、全身放射銀照射10Gy後にドナーから採取した骨髄細胞5x10^6個と脾細胞5x10^6個を輸注した。抗腫瘍効果をみるためにP815(H-2^d)を50000個輸注した。αGCは100μg/kgBWを移植後Day4,6,8またはDay 7,9,11に腹腔内投与した。 <結果> 1,αGC投与によるGVL効果の増強はドナーNKT細胞の存在に依存した 我々は以前αGCをDayOに投与した場合、レシビエントのNKT組胞に依存してGVHDが有意に抑制されることを報告している。一方GVL効果はNKT細胞の欠損するCD1d-KOマウスをドナーにした場合に打ち消されることが確認された。 2,αGC投与によって腫瘍細胞のMHCの発現は増強しなかった αGCによるGVL増強はアロ特異性であることを前年度に確認していたため、αGC投与に腫瘍細胞のアロ抗原の発現が増強されGVL効果が増強される可能性を考えた。EL-4 10000個をマウスに皮下注射し10日後に腫瘍を形成した段階で、αGCを腹腔内投与し24時間後に腫瘍を切除しフローサイトメトリーを行った。MHCの発現はαGC投与群で増強がみられなかった。
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