研究概要 |
A:急性骨髄性白血病(AML)抗原スクリーニング:AML(M4)初診患者検体をサンプルにしてファージライブラリーからスクリーニングを行った。190クローンをピックアップし、153個の遺伝子配列を調べた。78個の独立したクローンが得られた。その内32クローンの塩基配列は3種類からなるALCAM/CD166に対する抗体、5クローンがであった MCP/CD46であった。癌腫別細胞株を用いた組織特異性の検討から10種類が汎細胞株特異的、10種類が血液細胞特異的、13種類がAML細胞株特異的に結合することをELISA、FACSで確認した。結合力の高い抗体について抗原を調べるために順次、免疫沈降法により抗原の精製、ペプチドシークエンスによる蛋白同定を行った。83-176,73-16は CD93(ClqRp/AA4)が抗原であることをCD93強制発現系にて確認した。CD93は骨髄球、単球、血管内皮、造血幹細胞で発現していることが知られているが、このCD93scFv抗体でも末梢血の顆粒球、単球が陽性になることを確認した。また精製したCD93scFv抗体はmonomerであるが単球系AML細胞株を分化は起こさないものの細胞を凝集させ、軽度ではあるが増殖を抑えたがアポトーシスの誘導は見られなかった。AML患者検体での発現をFACS解析で検討したところMO(0/2),M1(0/4),M2(5/13),M3(2/5),M4(4/6),M5(1/1)で陽性であり分化した病型に多いことが確認された。B:受容体型チロシンキナーゼFLT3抗体作製:293T細胞で高発現するベクターを用いてAIMSライブラリーから FLT3発現細胞を使いスクリーニングを行っている。現在、2種類の抗体クローンを単離した。更に多くのクローンの種類を取得するとともに抗体によるFLT3リガンド刺激の中和活性検討する。
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