研究課題/領域番号 |
18790680
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小路 早苗 阪大, 微生物病研究所 (20397681)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,470千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 270千円)
2008年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | HIV-1 / 宿主因子 / RNF125 / ユビキチン / 複製 / リンパ球 / 転写 / 複製阻害 / E3 / CD38 |
研究概要 |
HIV-1は後天性免疫不全症候群の原因ウイルスであり、その感染者数は日本を含めた世界中で増加し続けている。HIV-1の複製には、細胞内に存在する様々な宿主因子の関与が報告されており、宿主因子を標的とした治療薬の開発が期待されている。本研究ではHIV-1複製に異なる感受性を示すTリンパ球サブセットを用いて、ウイルス複製を亢進もしくは抑制する宿主因子の同定を行っている。健常者由来CD4^+CD38T細胞サブセットをIL-4刺激した後ウイルスの感染性を比較したところ、CD38^-に比べCD38^+サブセットにおいて高いウイルス複製が観察された。IL-4刺激したCD38^-サブセットで発現の高いものとして5個、IL-4刺激したCD38^+サブセットで発現の高いものとして15個の宿主遺伝子を同定した。5遺伝子はHIV-1複製に対し抑制的に、一方、15遺伝子はHIV-1複製に対し亢進的に働いている可能性が考えられた。CD38^-で発現の高かった遺伝子の1つRNF125について詳細に検討を行ったところ、強制発現系およびRNA干渉法を用いた検証により、RNF125がHIV-1複製に抑制的に機能することが明らかとなった。さらにこの抑制効果は、健常者ドナー由来のPBMC_Sにおいても観察された。RNFI25はE3ユビキチンリガーゼに共通のドメインであるRINGフィンガードメインをもち、このドメインに変異を導入したところ、HIV-1に対する抑制効果が見られなくなった。HIV-1複製の各段階について解析を行ったところ、RNF125は主にHIV-1の転写段階で抑制的に機能していることが明らかとなった。これらの結果により、HIV-1の転写を制御している宿主因子をRNF125が標的とし、ユビキチン・プロテアソーム系にリクルートしていることが考えられた。
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