研究課題/領域番号 |
18790682
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
山崎 章 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (70325009)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 気管支平滑筋細胞 / LTB4 / ATII |
研究概要 |
気管支平滑筋細胞は喘息における気道リモデリングの病態において、その中心的な役割を果たしている。平成18年度は気管支平滑筋細胞を用いて、LTB4の初代培養細胞を用いて気道平滑筋細胞の及ぼす影響について検討した。平成19年度は確立した不死化間葉系細胞を用いてLTB4の遊走能(Chemotaxis)及び増殖能について検討した。初代平滑筋細胞と同様に不死化細胞でもLTB4によって平滑筋細胞の遊走能および増殖能が亢進することを証明した。また、これらの細胞を用い、LTB4の濃度依存性による遊走能(Chemokinesis)についても検討したが、LTB4により平滑筋細胞はLTB4の濃度勾配による細胞遊走を来たした。これらより、LTB4は平滑筋細胞の増殖・遊走能を亢進させる結果、気道リモデリングに重要な役割を果たしていることが証明された。したがって、LTB4は気道リモデリングを抑制する上で新たな治療対象になる可能性を示唆するものである。また、不死化間葉系細胞でも同様の結果を示したことにより、これらの細胞も多様性をきたすこと、また今後in vitroの実験でも研究が可能であることを示唆するものである。初代間葉系細胞については平成18年度は12ドナーより、平成19年度は6ドナーより平滑筋細胞を確立し実験を継続している。引き続き不死化間葉系細胞の確立を行うことを目的としている。 また、平成19年度はこれらの細胞を用い動脈硬化、血管のリモデリングに影響を及ぼすとされているアンジオテンシンIIを用いて実験を行った。各種の動物実験においてはアンジオテンシンレセプターブロッカーがアレルゲン誘発による気道リモデリングを抑制することや、血管平滑筋において増殖能を亢進させることが報告されているが、ATIIの気管支平滑筋に対する役割はよくわかっていない。ATIIは濃度依存性に初代・不死化間葉系細胞のα-sm-actinの発現を増強しており、AT-IIが気道リモデリングに関与することが示唆され、また不死化細胞を用いた実験が有用であることも証明された。
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