研究課題/領域番号 |
18790719
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
檜垣 克美 (桧垣 克美) 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 准教授 (90294321)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 神経変性疾患 / ライソゾーム / シグナル伝達 / 病態解明 / 治療法開発 / 神経栄養因子 / 脳神経疾 / 脂質 |
研究概要 |
遺伝性ライソゾーム蓄積症の一つGM1-ガングリオシドーシスモデルマウスを用い、中枢神経変性の原因となる細胞内シグナル伝達系を明らかにすべく、神経栄養因子受容体シグナルに着目して解析を行った。神経栄養因子受容体であるTrk受容体は神経細胞膜脂質ラフトでGM1ガングリオシドと相互作用し、シグナル伝達の調整を行っているが、モテルマウス脳組織由来Triton X-100において、Trk受容体シグナルは生後10齢では正常に比べ有意に低下していた。ところが、神経症状発症後の8または10ケ月齢の脳(木脳、中脳、小脳)では、逆にTrk受容体蛋白質のリン酸化が正常マウスに比べ著しく亢進していた。脳組織学的および生化学的解析から、リン酸化Trk蛋白質はGM1の蓄積した神経細胞の後期エンドソーム/ライソゾニム内に局在しでいることが分かった。さらに、Trk受容体蛋白質はライソゾーム分画において、高度にユビキチン化を受けていた。このマウス脳内のTrk受容体シグナルの亢進は、ケミカルシャペロンを投与したモデルマワス脳内では、非投与群と比較し有意に抑制されていた。神経栄養因子受容体シグナルは、未熟神経細胞の生存・分化および成熟神細胞の生存維持・神経機能に深く関与するが、以上の結果はマウス週齢に伴うTrk受容体シグナルの制御異常がGM1-ガングリオシドーシス神経変性に関連することを示唆する。今後は、Trk受容体に関連するより詳細な分子機構の解析を行うとともに、阻害剤またはsiRNAなどを用いた亢進シグナルの抑制による神経変性治療効果の検討か必要と考える。
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