研究課題/領域番号 |
18790724
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山田 博司 徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 助教 (30343304)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / インフルエンザ脳症 / ミトコンドリア / 脂肪酸代謝障害 / ウイルス / インフルエンザ / 脳症 |
研究概要 |
今までに、熱性痙攣やインフルエンザウイルス感染に伴って重積した痙攣や意識障害などの既往歴のある患者に対して、SNP解析を行い、特にミトコンドリアでの長鎖脂肪酸代謝に関わるCPT2遺伝子における変異が酵素活性の低下を引き起こし、ATP産生の低下、ミトコンドリアの機能障害などの細胞障害性を誘発することで、インフルエンザウイルス感染の増悪化の原因となっていることを見出してきた。そこでこのCPT2に着目し、インフルエンザ脳症の患者で実際に見つかり、酵素活性の低下が確認された遺伝子変異を細胞に導入し、変異CPT2を発現する細胞を作製し、この細胞において、血液脳関門を構成する蛋白質の発現の変化、インフルエンザウイルス感染、鎮痛解熱剤に対する細胞膜透過性の変化、インフルエンザウイルス感染におけるTNF-αなどのサイトカインに対する応答性、ミトコンドリアの機能障害を検討することによって、インフルエンザウイルス感染による脳症を発症させる機序を明らかにする目的で研究を進めている。 平成19年度には、SNP解析をさらに進めた。インフルエンザ脳症患者より、ゲノムDNAを抽出し、ミトコンドリアでの脂肪酸代謝に関わるCPT2とβ-酸化に関わる3種の酵素複合体のプロモーター領域、蛋白質をコードする領域をPCRで増幅し、塩基配列を網羅的に決定し、得られた配列情報を健常者グループの配列と比較して、危険因子となりえるSNPsを検討した。その結果、今年度も、新たなCPT2のSNPsを発見し、細胞にトランスフェクトすることで、熱(41℃)に対し、不安定であることを発見した。 また、CPT2遺伝子を発現しない細胞、さらに、CPT2のノックアウトマウスも作製した。このCPT2の細胞とノックアウトマウスを用いて、血液脳関門を構成する蛋白質の発現の変化、インフルエンザウイルス感染、鎮痛解熱剤に対する細胞膜透過性の変化、インフルエンザウイルス感染におけるTNF-αなどのサイトカインに対する応答性、ミトコンドリアの機能障害を検討する予定である。
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