研究概要 |
妊娠期の胎内環境影響因子が,次世代にどのような影響を及ぼすかについて,マウス,ラットを用い子宮内胎児プログラミングのモデルを作成し検討を行った。本年度の研究系統は内容に応じ,以下の2群に大別した。まず第一に妊娠iNOSノックアウトマウスを用いた,胎内環境の炎症に対する影響についての研究を細胞性免疫学観点及び液性免疫学的手法により検討を行った。胎内の炎症に対する反応型は,出生仔の成長後の炎症に対する反応型と同様な変化を示した。また,制御生T細胞による細胞性免疫反応も胎内のiNOS発現環境に依存し,母親由来iNOSまたは父親由来iNOSによる遺伝的影響にも左右される可能性を示唆する結果が得られた。第二に成人病胎児起源説に関する検討も行った。これは妊娠ラットを用い,母体妊娠期および産褥期の低栄養および高脂肪栄養による胎内環境の影響への研究を行った。この胎内プログラミングモデルは母体栄養により出生後仔ラットの体重変化,血圧測定及び,血管反応における検討を行い,高血圧など出生仔代謝性疾患を発症するモデルの作成に成功した。いずれの研究においても,新しい見解と発見が認められ,これらの実験実績は,下記の各学会発表にエントリーし,採択された。平成19年4月開催の日本産婦人科学会総会にて高得点演題として採択され発表を行った。平成19年8月開催の世界周産期学会(日本)において5演題採択され発表を行った。 平成19年11月に開催されたDOHaD学会(豪国)において5演題採択され発表を行った。 平成19年11月に開催されたepigenetics学会(豪国)において5演題採択され発表を行った。 平成20年1月の日本新生児周産期学会のシンポジウムに演題が採択され発表を行った。 平成20年4月開催の日本産婦人科学会総会にて高得点演題として採択された。 以上より本研究は極めて注目され,研究結果においても十分な成果が得られている。
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