研究課題/領域番号 |
18790806
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
和田 直子 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (50306776)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | デスモグレイン3 / 天疱瘡 / 胸腺上皮細胞 / 免疫寛容 / Aire / 胸腺 / 末梢抗原 / 自己免疫性疾患 |
研究概要 |
前年度までに我々は野生型マウス胸腺において少数の髄質上皮細胞にDsg3の発現があることを蛋白およびRNAレベルで示し、遺伝性自己免疫疾患モデルであるAire-/-マウスにおいて胸腺Dsg3発現の著しい低下を認めるも、同マウスはDsg3によって強制免疫され得ないことを示した。本年度は胸腺Dsg3の細胞上の微細局在、thymocyteとの関連の見地から、胸腺におけるDsg3に対する免疫寛容形成機序の追究を試みた。まず、野生型マウス胸腺Dsg3の微細局在を包埋前免疫電顕法で観察した。一次抗体として我々が既に作製した抗Dsg3モノクローナル抗体を用いることで非特異的反応を抑制し真のシグナルを検出し得た。Dsg3に対するシグナルは胸腺上皮細胞のデスモソーム部のみならず、デスモソーム外の細胞膜上にも認めた。またDsg3陽性上皮細胞は数個のthymocyteと思われる小型細胞に囲まれ、それらと接していた。次に、各種リンパ球マーカーの免疫組織化学染色の結果、Dsg3陽性胸腺上皮細胞周囲のthymocyteの形質は一様にCD4^+8^-だが、免疫寛容の一つの重要な因子であるregulatory T細胞のマーカー; Foxp3は髄質深部の細胞に陽性でありDsg3の存在する皮質髄質境界部には認めず、Aire-/-マウス胸腺についても組織学的に差異を認めなかった。Dsg3が限られた髄質胸腺上皮細胞上にデスモソーム外にも存在し、その発現がAire支配下にあるという知見は、胸腺Dsg3がDsg3に対する免疫寛容に寄与する可能性を示唆した。一方で胸腺Dsg3発現減少下の個体、Aire-/-マウスにおけるDsg3に対する免疫寛容状態の変化は、今年度の組織学的検査では捕らえることができなかった。胸腺内末梢抗原発現から免疫寛容形成までを介するさらなる必須因子の解明が今後の課題である。
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