研究概要 |
TNF-alphaによるLCの修飾が免疫応答に果たす役割を解明することを本年は主眼においた。まず、LCがBALB/c由来であるため、同じくBALB/c backgroundでOVA(323-339)特異的TCRを発現させたOVA-specific TCR transgenic mice (J. Immunol. 159: 4484, 1997)を入手した。このmiceを用いてLCのTNF-alpha存在下でのTh1,Th2誘導について検討した。具体的には、(a)LCをTNF-alphaまたはTNF-alpha+IL-10中和抗体、OVA peptide(323-339)存在下で培養後、(b)transgenic mice由来のCD4+CD62LhighのNaive T細胞と共培養し、T細胞から分泌されたIL-2,IL-4,IFN-gを測定し、IL-4(Th2系)とIFN-g (Th1系)産生のバランスを検討した。抗原特異性をみるために、OVA+LC+T cellの群の他に、KLH+LC+T cell,OVA+T cellの群でも同様の実験を行った。その結果、予想通り、OVA+LC+T cellの群においてのみ、T cel1の活性化が認められ、IL-2の上清中への分泌があった。この実験を3回以上施行したところ、全体の傾向として、TNF-alpha刺激群ではTh1優位の反応を示した。しかし、IL-10中和抗体はこの傾向をさらに強めることはなく、少なくともin vitroの結果においてはTNF-alphaの刺激に伴うLCのIL-10産生はTh1,Th2のバランスを変える程の意味付けは難しいと思われた。ただ、in vitroの実験のみでは、LCのmigrationへの影響はみれていないため、今後はin vivoでの検討を引き続き行う予定である。
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