研究課題/領域番号 |
18790815
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
小野 文武 久留米大学, 医学部, 助教 (80320208)
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研究分担者 |
安元 慎一郎 久留米大学, 医学部, 准教授 (10220162)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 皮膚感染症 |
研究概要 |
単純ヘルペスウイルス(HSV)に関連した多形滲出性紅斑(herpes-associated erythema multiforme;HAEM)はHSV発症後に続発するEMである。病変部および末梢血単核球からHSVDNAが検出され、HSVDNAは発症部位から多形紅斑部位へ血行性に運搬される。末梢血中のCD34陽性細胞はHSV感染後、HSVDNAを保持する機能を有し、HAEMでCD34陽性細胞数の増加がみられることを報告してきた。正常人においては、HSV感染したCD34陽性細胞がラングルハンス細胞への分化を促進することが示唆されたため、本研究においてはHAEM患者におけるHSV感染CD34陽性細胞のラングルハンス細胞への分化を検討することを目的としてきた。現在まで本国においてHAEMと診断可能な症例の集積が進んでいないため、HAEMと同様の機序で多形紅斑を呈すると考えられる感染症として、梅毒・ヒトパルボウイルスB19(HPVB19)感染症で病変部位に原因ウイルス・病原体が存在しているかを免疫組織染色およびPCR法で試みた。多形紅斑を呈したHPVB19感染症においては末梢血中のCD34陽性細胞数の増加はなく、多形紅斑を呈した部位からの皮膚切片からもPCR法で陰性であった。更にプライマーの設定を変更して再検討中である(日本皮膚科学会第58回中部支部学術大会、京都市で報告)。また多形紅斑を呈した梅毒疹の皮膚切片から、病原体であるT.pallidumの検出をPCR法および免疫組織染色で試みたがともに陰性であった(STDアトラスに症例掲載、2008)。 HAEMは抗ウイルス薬で治療可能であるが、HSV感染症への早期の抗ウイルス薬投与が近年進んだことがHAEMの発症頻度の低下に繋がった可能性が示唆される。またHAEMの発症頻度には人種差があることが経験的に知られているため、HLAタイピングでその発症頻度の検討を試みる予定であったが、集積不可であった。
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