研究課題/領域番号 |
18790880
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
香田 渉 金沢大学, 医学部附属病院, 助教 (30401920)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 樹状細胞 / 免疫療法 / 肝細胞癌 / 細胞標識 |
研究概要 |
本研究の最終的な目的は、肝細胞癌に対する樹状細胞療法において最も有効な樹状細胞の生体への移入方法を考案することであり、同時に生体内に投与した樹状細胞の動態を経時的に追跡する手法も確立したい。 臨床的には多発性肝細胞癌を有する患者4例に対して、末梢血より単離・培養された樹状細胞を動注によって導入した。血管造影の手法を用いて肝癌の栄養動脈に選択的にマイクロカテーテルを挿入し、まず、リピオドールによる塞栓を施行して末梢流出路をブロックした。その後、樹状細胞を同じく肝癌の栄養動脈より注入し、ゼラチンスポンジ細片で塞栓することにより、肝癌への選択的な樹状細胞注入とともに血流のブロックを行った。樹状細胞注入手技に際して合併症の発生は認めず、術後にも特に合併症の発生は認めなかった。これまで当院消化器内科から報告されている結果と同様であり、経血管的に樹状細胞を導入する方法の安全性を裏付けるデータの一つと考えられる。 樹状細胞の生体内追跡に関しては、細胞標識を行って生体内での動態観察を行うにはいくつかの克服しなければならない問題点があることが判明した。まず、実験動物を用いて画像による動態追跡を行う際、MRIを使用することは設備的に困難であったため、動物用CTを用いて行うことを計画したが、リゾビストによる細胞標識では高密度の細胞集積でないと画像として捉えることは難しく、皮下注や腹腔内注入などによる細胞の動態や肝以外への細胞の分布などを追跡することは事実上不可能である。また、細胞標識された樹状細胞の生体内での生死や、生体内での標識と細胞の結合率などが不明であり、生体内分布をどの程度正確に反映するかが不明である。さらに、各種IVRによる細胞導入を検討するには、樹状細胞実験を行い易いラットではなく、大型動物での樹状細胞実験系を確立して行う必要がある。現在、これらの点について検討を進めているところである。
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