研究課題/領域番号 |
18790973
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
鳥井 孝宏 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (50364774)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 良性胆管狭窄 / 生体吸収性 / ポリマー / 胆道ステント / 胆管上皮 / 術後胆管合併症 / 生体吸収性ステント / 自己拡張ステント / 生体吸収性ポリマー / 再生医療 |
研究概要 |
今回我々は、良性胆管狭窄の治療を目的とし、生体吸収性ステントについて研究、開発した。 方法:雑種ブタを全身麻酔下、正中切開にて開腹し、肝外胆管を同定した。その肝外胆管を絹糸にて強固に結紮し、その結紮を解放後、結紮部分を含むように胆管を長軸方向に切開し、直径5mm、長径5cmのらせん状の生体吸収性ポリマー製ステントを挿入した。このステントはポリ乳酸で作製し、自己拡張能を有している。生体内で3ケ月くらいから脆弱となり、約2年で完全に分解吸収されるように設計した。肝外胆管結紮解放1週後の肝外胆管をコントロールとした。肝外胆管結紮解放後、ステント挿入した肝外胆管を3,6ケ月後に採取し、ステントの機能を評価した。 結果:ブタは全例、組織を採取するために犠牲死させるまで生存した。コントロールの結紮部は肉眼的に狭窄が認められた。組織学的には胆管上皮が脱落し、線維性の肥厚が認められた。結紮解放後ステント挿入した群においては、3ケ月後には胆管に狭窄はなく、内腔に胆汁が付着したステントが残存していた。胆管上皮は連続していた。6ケ月後には狭窄はなく、全てのブタにおいてステントは胆管内より逸脱していた。また組織学的に胆管上皮は連続していた。 考察:近年、腹腔鏡下胆嚢摘出術、生体肝移植術が普及し、合併症である良性胆管狭窄に遭遇する機会が少なくない。しかし、これら疾患に対する現行の非手術的治療法であるステント治療は十分な治療法とはいえない。メタリックステントは抜去困難であり、胆管上皮の過形成性増殖を招くことから基本的には良性胆管狭窄には不適切とされている。一方、チューブステントは、その径が細いことから閉塞しやすく、頻回な交換が必要である。本研究では胆管に狭窄はなく、胆管上皮が連続していて過形成は来たさなかった。このような生体吸収性の胆道ステントを胆管の良性狭窄時に使用可能と考えられた。
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