研究概要 |
1.メチル化診断チップの実験用プライマーの作製、定量、コントロール実験 メチル化診断チップGenoPa1^<TM>(三菱レーヨン)注入用のプローブ、Cy5標識プライマー、リン酸化標識プライマー作製を行った。癌抑制遺伝子・癌関連遺伝子8遺伝子のプローブを作成し、同遺伝子のコントロール検体のmultiplex PCR産物から得られた検量線を求め、最適なプローブかどうかを検討した結果、最終的に4遺伝子(TIG1,p16,RUNX3,LOX)を評価可能と判断した。 2.メチル化診断チップGenoPa1^<TM>を用いた肺癌手術検体のメチル化解析 上記4遺伝子のうち、TIG1遺伝子のプローブを注入したメチル化診断チップGenoPa1^<TM>を用いてメチル化解析を行い、肺癌手術検体の臨床病理学的事項を検討した。 対象:肺癌手術例50例(腺癌25例、扁平上皮癌25例)とその対応する非腫瘍組織において、TIG1遺伝子プロモーター領域近傍のメチル化をメチル化診断チップを用いて定量的に解析した。方法:手術検体からDNAを抽出、Bisulfite処理をしたものをPCRにて増複した。PCR産物を生成、strandase処理を行い、メチル化チップに搭載したプローべとハイブリダイゼーション、検出、解析した。解析はstandization curveからメチル化率を算出した。結果:肺扁平上皮癌では、腺癌と比較しTIG1遺伝子は高率にメチル化を認めた。肺腺癌ではTIG1のメチル化を認めなかった。肺非腫瘍組織ではTIG1のメチル化はみられず加齢とも関連がなかった。 メチル化診断チップを用いたメチル化解析の結果と従来法のCOBRA踏法、MS-SNuPE法、bisulfite-SSCP法との結果比較を行い、定量性の評価が今後の課題である。
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