研究課題/領域番号 |
18791001
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
長束 美貴 東京医大, 医学部, 助手 (20408115)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2007年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 光干渉断層法(OCT) / 気管・気管支病変 / 蛍光気管支鏡検査 |
研究概要 |
平成18年4月から平成18年12月現在までに、臨床例24例(末梢病変3例含む)、切除例2例に対し気管支鏡下光干渉断層法(OCT)を行い画像解析を行なった。切除例では病理組織標本とOCT画像の比較を行なった。これまで当院では、OCTにより正常気管支壁構造を層構造として認識でき、終末細気管支レベルでも終末気管支壁と肺胞構造を描出できること、また粘膜・粘膜下層の非常に浅い部分に発生した腫瘍を明瞭に形態を損なわずに描出できることを確認している。 切除例は、2例とも肺癌で気管支断端陽性例であった。気管支断端に対してOCTを行い、病変部は粘膜の肥厚像や層構造の乱れとして描出され、病理組織標本の病変部と一致していることが確認できた。ただ、OCT画像から癌・非癌病変の区別をすることは現時点では困難と考えられた。 気管・気管支病変21例に対してOCTおよび蛍光気管支鏡検査(AF)を行い比較検討した。AFでは全例陽性所見であった。21例中16例は癌病変(扁平上皮癌15例、腺様嚢胞癌1例)であり、OCTでも粘膜肥厚像や層構造の乱れ、腫瘍陰影として描出できた。またOCTで病巣が軟骨層を越えていないと判断した症例は9例あり、そのうち7例は中枢型早期肺癌と診断し、光線力学的治療(PDT)を行った。21例中5例は良性病変であり、OCTで3例は粘膜肥厚像を認めるも、2例では有意な所見は認めなかった。AFで陽性所見であっても、OCTで陰性所見であれば良性病変である可能性も示唆されるので、症例の集積が必要と思われた。末梢肺病変3例に対して、CTガイド下にOCTを行った。肺胞構造を確認でき、病変部は周囲と比べやや高輝度に描出されるも、腫瘍を同定することは困難であった。 現行のOCTのシステムでは、画像から癌・非癌病変の区別をすることは困難と考えられ、また肺末梢病変に対しては、病変へのアプローチなどを含め更なる検討が必要と思われる。
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