研究課題
若手研究(B)
本年度は再生の阻害因子である炎症を評価すべく、末梢性ベンゾジアゼピン受容体をターゲットとしたミクログリア・イメージングによる評価を試みた。本研究においてはPETによるミクログリア・イメージングの方法を確立し、その妥当性有用性を検討した。エタノール注入モデルラット、lateral fluid percussionモデルラットを作製し、それぞれin vitro autoradiography、免疫染色、microPETによるPET studyを行った。エタノール注入モデルでは、主に末梢性ベンゾジアゼピン受容体の発現部位、ミクログリアとアストロサイトの挙動に関して免疫染色を中心に検討した。障害部位では早期より両者の増加を認めるが、その増加はミクログリアに顕著であった。このミクログリアの増加は7-14日目をピークとしていた。また、ミクログリアが障害部位を取り囲むように移動してゆく現象を認めた。末梢性ベンゾジアゼピン受容体はミクログリアとアストロサイト両者において発現を認めたが、その発現はミクログリアが主体であった。以上のことから、障害後の末梢性ベンゾジアゼピン受容体をイメージングすることで、ミクログリアの活性をイメージングできることがわかった。Lateral fluid percussionモデルでは、エタノール注入モデルと同様に病理組織学的検討を行い、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の発現部位と時間的・空間的挙動を検討し、エタノール注入モデルとほぼ同様な結果を得た。microPETによるPET studyを[11C]DAA1106を用いて行い、同一固体において障害部位で7日目をピークに集積を認め、徐々に低下していく過程を示すことができた。同時に行ったFDG-PETでは、同一部位において糖代謝の低下を認めた。また、本年度はパーキンソンモデル動物の行動とPETの相関に関して更なる検討を行った。
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