研究概要 |
本年度は研究計画に従い、以下の1研究を行い、得られた研究成果を論文発表する準備を整えている。 免疫不全ラット(F344/nude rat,12W)アキレス腱損傷モデルに対する末梢血由来CD34陽性細胞移植及びその効果の評価とCD34陽性細胞のin vivo下における分化能の検討 前年度同様に、モデルを作製し、末梢血由来CD34陽性細胞による腱再生効果を比較検討するため、健常成人の末梢血より採取・分離した単核球をリン酸緩衝液に懸濁し新たな対照群として中央部で切離後ナイロン糸にて腱縫合したアキレス腱縫合部に局所投与した(lxlO^5 cells/50μ PBS)(MNC群)。 移植後1週における肉眼的所見ではCD34群程ではないがPBS群に比較して厚い組織で覆われていた。Masson Trichrome鵬染色においてもまずまずのコラーゲンの1配列を認めた。また、血管再生の評価としてlsolectinB4染色によるcapillary densityを各群において計測・比較を行い、CD34群において有意な血管再生を認めた。さらに、ヒト特異的抗ミトコンドリア抗体による染色と、type I collagen, 血管内皮細胞のマーカーであるvon Willebrand factorによる免疫組織染色において2重染色される細胞をCD34群において認め、移植したCD34陽性細胞の腱細胞、血管内皮細胞への分化を示唆するデータを得た。 以上よりヒト末梢血由来CD34陽性細胞によりラットアキレス腱の再生促進及びその分化能が確認された。この結果をもとに論文投稿の準備中である。
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