研究課題/領域番号 |
18791046
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森石 武史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 技術職員 (20380983)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | Bc1-2 / トランスジェニックマウス / 骨芽細胞 / 骨細胞 / アポトーシス / 尾部懸垂 / メカニカルセンサー / 骨量調節 / Bcl-2 / 骨芽細胞分化 / 骨形成 |
研究概要 |
【マウス樹立の目的と解析方法】本研究では骨芽細胞のアポトーシスを抑制し骨量増加を図る目的で2.3kbマウスCol1a1プロモーター下流にヒトBcl-2 cDNAを組み込み、骨芽細胞特異的Bcl-2トランスジェニックマウス(tgマウス)を作製、様々な形態学的分子生物学的手法で解析した。【解析結果】強・弱発現それぞれ1系統のtgマウスを樹立した。tgマウスでは骨芽細胞の増殖が亢進しアポトーシスが抑制され、骨芽細胞の成熟が阻害されていた。さらに、tgマウスでは成長につれ骨細胞がアポトーシスで死に、特に、皮質骨において多数の空洞化した骨小腔が観察された。そして骨細胞の死と同期して、tgマウスは野生型マウスと比較して二次海綿骨および皮質骨の骨量が増加した。【尾部懸垂実験の目的】tgマウスは成熟すると皮質骨の骨細胞がほとんど死ぬため、力学的負荷軽減における骨量減少への骨細胞の関与を検討した。【尾部懸垂実験の方法】4ケ月齢雄性野生型マウス(B6C3F1)24匹、tgマウス16匹をそれぞれ半数ずつ地上群と懸垂群にわけ、2週間の実験期間中にカルセインによる骨標識を行った。実験終了後、大腿骨において骨形態計測およびμCT計測を行った。【尾部懸垂の結果】野生型マウスでは大腿骨遠位の二次海綿骨骨量が有意に減少したが、tgマウスでは有意な骨量減少が認められなかった。骨形態計測の結果、野生型マウスでは尾部懸垂により破骨細胞が増加し吸収が亢進するのに対し、tgマウスでは破骨細胞の増加が認められなかった。また、tgマウスは野生型マウスと比較しMARやBFR等の骨形成パラメータ値が有意に大きかった。【考察】本研究により、Bcl-2は骨芽細胞の増殖を促進し、骨芽細胞後期の分化を抑制することが示された。また、骨細胞が力学的負荷を感知する受容体であり、骨形成および骨吸収の両面から骨量を調節していることが示唆された。
|