研究課題/領域番号 |
18791057
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
北村 和也 慶應義塾大学, 医学部, 嘱託(非常勤) (00383860)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 脊髄損傷 / He atocute Growth Factor / 霊長類コモンマーモセット / 神経栄養作用 / 血管新生 / 軸索伸展 / 運動機能回復 / 臨床応用 / Hepatocyte growth factor |
研究概要 |
われわれは成体SDラットの胸髄損傷後急性期に、HGF受容体であるc-Metの発現は急速に上昇するのに比べてHGFの発現は緩除に上昇するために、損傷後急性期脊髄内でHGFが不足していることを発見した そこでherpes simplex virus l HSV-1) vectorを損傷3日前に直接脊髄に注入し、同部に圧挫損傷を作成しHGFの有効性を検討した。損留後急性期にはニューロンおよびオリゴデンドロサイトのアポトーシスを抑制し、血管新生を促進することで損傷範囲を縮小し、慢性期にかけてセロトニン線維の再生を促進することで良好な後肢運動機能回復が得られることを報告した。 次に臨床応用を目指し、成体SDラットの第10胸髄圧挫損傷モデルに損傷直後よりrecombinant humanHGF (rhHGF)を2週間持続投与したところ、rhHGFの脊髄損傷部への高卒な導入がELISA法にて確認され、有意に良好な下肢運機能回復を認めた。またrhHGF群では残存する髄鞘面積が損傷中心部においても有恩に保たれており、損傷部空洞形成面積も著明に抑制されていることが明らかとなった。さらにはコモンマーモセット第5頸髄レベルに圧挫損傷を作製し直後より同様にrhHGFを4週間持続投与したところ、Bar ip testおよびopen field scoring共に有意に良好な運動機能回復を認めた。 さらには損傷後12週目のMR像(T2WI)より、空洞形成ならびに常高信号領域がrhHGF群で著明に縮小していることが明らかとなった。これらの結果より、rhHGFを損傷にくも膜下腔に持続投与する治療法が、霊長類脊髄霜傷に対しても有効であることが明らかとなった。 今回の結果は、本治療法のヒト脊髄損傷に対する有効性を大きく示唆するものと考える。
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