研究概要 |
髄腔内に投与したsiRNAがDRGに到達し,一次知覚神経に取り込まれること,Nav1.9のsi-RNAがブラジキニンによる急性疼痛を緩和することは平成18年度に行った研究により確認済みである。 平成19年度にはNav1.9に対するsiRNAがNav1.9の発現を抑制することの確認と,同薬剤が炎症性疼痛を緩和するか否かについて解析した。 Nav1.9発現に対するsiRNAの効果 Nav1.9に対するsiRNAを髄腔内投与し,2日後にDRGを摘出した。摘出DRGからRNAを抽出し,real time PCRによってNav1.9の発現量を定量した。その結果,siRNA投与によってNav1.9の発現量が有意に減少することが確認された。 炎症性疼痛モデルに対するsi-RNA投与の効果 Nav1.9に対するsiRNAを髄腔内投与したラットの足底にCFAによる組織炎症を作成した。炎症性疼痛の程度はvon-freyによる機械的刺激とhot plateによる熱刺激により行った。コントロールのラットにはランダム配列のsiRNAを投与した。行動解析の結果,炎症性疼痛の程度はNav1.9のsiRNAが投与されたラットにおいて減弱する傾向が認あられ,siRNAによるNav1.9発現抑制が炎症性疼痛の緩和に有効であることが示唆された。
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