研究課題/領域番号 |
18791186
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田渕 経司 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80361335)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 音響性障害 / シクロオキシゲナーゼ / リポキシゲナーゼ / ホスホリパーゼA2 / 有毛細胞 / 蝸牛求心性神経 / GABAAレセプター / グルココルチコイド / RU486 / phospholipase A2 / GABA / muscimol |
研究概要 |
音響性障害において、マウスでの実験モデルを用いて、障害進行機序にシクロオキシゲナーゼ、リポキシゲナーゼ、ホスホリパーゼA2が強く関与することを示した。マウスに128dB SPLの強大音響を4時間負荷することにより音響性障害モデルを作製し、聴性脳幹反応(auditory brainstem response:ABR)を聴力の指標に用いて検討した。ホネホリパーゼA2阻害薬であるquubacrubeおよびシクロオキシゲナーゼー1阻害薬、リポキシゲナーゼ阻害薬がそれぞれ強大音響付加後の聴覚域値の増悪を抑制した。これらの保護効果は組織学的にみると主に有毛細胞において確認された。しかしながらシクロオキシゲナーゼー2阻害薬は強大音負荷後の蝸牛障害を抑製しなかった。このことから、有毛細胞の音響性障害の進行にホスホリパーゼA2,シクロオキシゲーナーゼー1、リポキシゲナーゼが関与することが判明した。 音響性蝸牛障害では内外有毛細胞の障害に加え、蝸牛求心性神経の障害も惹起される。この求心性神経の障害ではグルタミン酸による毒性が首座を占めることが報告されている。モルモット蝸牛にグルタミン酸受容体作動薬であるカイニン酸を貫流することにより、蝸牛求心性神経の興奮毒性を惹起した。GABAA受容体作動薬であるmuscimolはこの求心性神経の障害を軽減し、蝸牛音響性障害を軽減することを示した。このmucimolによる保護効果はGABAA受容体拮抗薬により完全に拮抗され、GABAA受容体を介する作用であることが確認できた。同時にGABAB受溶体作動薬ではこのような保護効果が確認されないこを示した。
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