多種感覚間相互作用の解析 聴覚・平衡覚・視覚の協同による空間・運動知覚について

• 研究課題/領域番号: 18791191
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 耳鼻咽喉科学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 狩野 章太郎 東大, 医学部附属病院, 助手 (00334376)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2007
• 研究課題ステータス: 完了 (2007年度)
• 配分額: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円); 2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円); 2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
• キーワード: 聴覚 / 平衡覚 / 空間認知 / 運動知覚

研究概要

多種感覚の干渉と相互作用により、身体および外界の空間情報がどのように統合きれているかを解明するため下記の研究を行った。
聴覚と回転感覚の相互作用
周波数のわずかに異なる純音をイヤホンで独立して左右の耳に提示すると、純音の周波数差に一致した周波数を持つゆらぎ(Binaural Beat)がきこえる。両耳からの周波数情報の処理機構の解明するため、Binaural Beat刺激の周波数および周波数差と、聴覚皮質での反応部位および反応の強度の関係を解析した。また、Binaural Beat刺激による回転感覚と頭頂葉の活動との関連を解析することにより、空間認知・運動認知に関わる機構を検討した。これらの結果をJournal of Neurophysiology誌に発表した。
聴覚と平衡覚の相互作用
トーンバースト音刺激により球形嚢を刺激し、空間認知に関わる頸筋への前庭系出力を拾うことができる。聴覚と平衡覚の相互作用を検討するため、姿勢(頭位)により前庭系由来の筋電位がどのような影響を受けるか検討し、Neuroreport誌に発表した。
聴覚と振動覚の関係
聴覚の原始的な機能として頭蓋の振動も音として検知することができる。この振動の至適周波数に関する基礎的実験を行いActa Otolaryngologica誌に発表した。また聴覚の高次機能としての言語音の認知について、聴覚皮質における反応を脳磁図で解析しNeuroreport誌に発表した。

研究成果

• [雑誌論文] Effect of head position on vestibular evoked myogenic potentials with toneburst stimuli (2007)
  • 著者名/発表者名: Ito K, Karino S, Murofushi T
  • 雑誌名: Acta Otolaryngologica 127・1 ページ: 57-61
• [雑誌論文] Hearing levels in patients with microtia : correlation with temporal bone malformation (2007)
  • 著者名/発表者名: Ishimoto S, Ito K, Karino S, Takegoshi H, Kaga K, Yamasoba T
  • 雑誌名: Laryngoscope 117・3 ページ: 461-465
• [雑誌論文] Surgical treatment of medial meatal fibrosis Report of four cases (2007)
  • 著者名/発表者名: Suzukawa K, Karino S, Yamasoba T.
  • 雑誌名: Auris Nasus Larynx Jan 24; [Epub ahead of print]
• [雑誌論文] Neuromagnetic Responses to Binaural Beat in Human Cerebral Cortex (2006)
  • 著者名/発表者名: Karino, S., Yumoto, M., Itch, K., Uno, A., Yamakawa, K., Sekimoto, S., Kaga, K.
  • 雑誌名: Journal of Neurophysiology 96・4 ページ: 1927-1938
• [雑誌論文] Bone-conducted auditory brainstem-evoked responses and skull vibratory velocity measurement in rats at frequencies of 0.5-30 kHz with a new giant magnetostrictive bone conduction transducer. (2006)
  • 著者名/発表者名: Sakai Y, Karino S, Kaga K
  • 雑誌名: Acta Otolaryngologica 126・9 ページ: 926-933
• [雑誌論文] A magnetoencephalographic study of Japanese vowel processing (2006)
  • 著者名/発表者名: Ogata E, Yumoto M, Itoh K, Sekimoto S, Karino S, Kaga K
  • 雑誌名: Neuroreport 17・11 ページ: 1127-1131
• [図書] 側頭葉 revisited (側頭葉と聴覚 人工内耳と聴空間障害(解説/特集))(Clinical Neuroscience(0289-0585)24巻5号Page521-523) (2006)
  • 著者名/発表者名: 狩野章太郎
  • 総ページ数: 3
  • 出版者: 中外医学社