研究概要 |
本研究の目的は,遺伝子導入を活用した新しい緑内障治療の開発に関して,GC(グアニレーシクラーゼ)活性の上昇に伴う神経保護作用を活用して,このGC cDNAを視神経乳頭周囲の網膜組織に遺伝子道入を行い,その神経保護効果を確認,新しい治療法の可能性について検討していくことである。 昨年度の研究にて,エレクトロポレーションでの遺伝子導入が確認されたため,本年度は 1)遺伝子導入の至適条件の決定する 2)遺伝子導入による周囲の眼網膜組織における影響を検討する 3)高眼圧モデルラットへの遺伝子導入を行く,その神経保護効果を評価すると計画した。 1)遺伝子導入の至適条件については,以下の条件(cDNA量20,40,80μg,電圧5,8V,持続時間50msec,10pulses)で設定し,それぞれで遺伝子発現が認められたが,至適条件の決定には至らなかった。 2)各条件でも,明らかな形態学的異常やアポトーシスは確認されず,眼網膜組織への傷害は認められなかった。 3)高眼圧モデルラットは,上強膜静脈焼灼による眼圧上昇を予定していたが,モデルラットの眼圧上昇の程度に差があり,また一定期間の高眼圧の維持が困難なため,一定の評価を得るには至らなかった。
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