研究課題/領域番号 |
18791256
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
石川 太 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00419962)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 遺伝性網膜変性症 / 網膜光傷害 / 光ストレス / ロドプシン / RCSラット / 遣伝性網膜変性症 |
研究概要 |
平成18年度とは別種類の遺伝性網膜変性ラットで検討を行ったが、遺伝性網膜変性モデルラットに対する光ストレスは比較的弱照度であっても、網膜変性を進行する方向に作用し機能的異常ないし組織学的異常を来たすことは同様であると判明した。その変化は機能異常に関しては正常ラットの一部では可逆性変化であったが、中強照度の光ストレスにおいては不可逆性変化であった。弱照度の光ストレスを遺伝性網膜変性モデルラットに照射すると、網膜保護に関与する因子が網膜において産生され、これが網膜変性に対して変性遅延の方向に働くことが考えられたが、前年度と同様にアポトーシス促進因子の減少やアポトーシス抑制因子の増加は遺伝子レベル・蛋白質レベル、双方においてみられなかった。遺伝性網膜変性と網膜光障害における網膜変性の共通のメカニズムとして、やはり前年度と同様にロドプシンリン酸化状態の病的延長説が考えられた。実験的にロドプシンのリン酸化状態を光ストレス後正常網膜と別腫の遺伝性網膜変性モデル網膜においてそれぞれ検討したところ、そのパターンは共通しており、前年度の仮説が裏付けられたと考えられる。すなわちロドプシンのリン酸化が過剰におこり、脱リン酸化が病的に遅延していれば、視細胞内でおこる視覚情報伝達経路の最終段階である、細胞内カルシウムイオン濃度上昇が続き、カルシウムイオン濃度依存性の細胞死に陥るという仮説である。網膜変性症の全てを本説で説明するのは困難だが、本研究により遺伝性網膜変性の原因の一端は解明されたと思われる。
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