研究課題/領域番号 |
18791274
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
尾島 知成 京都大学, 医学研究科, 助教 (00402834)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 血管新緑内障 / Eph / ephrin / 虚血性眼疾患 / 血管新生緑内障 |
研究概要 |
本研究は血管新生緑内障の新しい治療の可能性を探ることを主要目的として行った。 前眼部虚血による白色家兎虹彩血管新生モデルにおいて虹彩のVEGF発現が増加していることが分った。血管新生抑制の可能性が示唆されているephrinA1およびB2の前房内注入が虹彩血管新生を抑制するかどうかを検討したが、有意な結果は認められなかった。実験手法も含めこの結果について現在検討中である。臨床上の血管新生緑内障は直接的な前眼部虚血よりも糖尿病網膜症や網膜中心静脈閉塞症等の網膜虚血に続発するものが多い。cyclic stretchを用いin vitroで実験を行ったところ、周期的な機械的進展刺激はc-jun NH2-terminal kinase活性化の経路を介して周細胞(pericyte)アポトーシスを引き起こす可能性がある事が分った。高血圧が血管新生緑内障に合併しやすい理由として糖尿病網膜症や動脈硬化の二次的結果としてだけでなく、直接的に血管新生の前段階としての周細胞脱落を引き起こす経路を明らかにした点で興味深い。より臨床像に近いモデルとしてカニクイザルの網膜中心静脈をレーザーで凝固閉塞し人工的な網膜中心静脈閉塞症とそれに続発する血管新生緑内障モデルを作製したがこれらのモデルではVEGFの網膜への発現は増加していたものの明らかな血管新生緑内障は来たさなかった。網膜中心静脈閉塞が不完全であった可能性などを解決し安定的なモデル作製が可能となれば、マウスモデルと同様にephrinA1/B2を注入し実際に隅角部での血管新生を抑制するかどうか検討する。併せて行った臨床研究においては早期緑内障においてもすでに神経線維と神経節細胞の高度の減少が見られることを明らかにした。血管新生緑内障は難治であるが、高眼圧を早期のうちに治療し不可逆的障害を少しでも軽減する事が今後重要であると考える。
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