研究課題/領域番号 |
18791293
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
向井田 泰子 岩手医科大学, 医学部, 研究員 (30405831)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2007年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2006年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | heat shock protein / 網膜電図 / ERG / 神経保護 / 視細胞 / 網膜変性 |
研究概要 |
昨年度、外因性のheat shock protein 25 (hsp25)が網膜光障害から視細胞を保護することを報告した。今回は、遺伝性の視細胞変性を起こしRoyal College of Surgeons(RCS)ラットの視細胞変性に対して、hsp25が保護効果を有しているか否かを検討した。RCSラットはヒトの網膜色素変性症(RP)と共通した遺伝子変異を有しており、RPの動物も出るとして用いられている。 1.対象:4週齢のRCSラット10匹を用いた。 2方法 1)Hspの硝子体内投与:Hsp25 1μg(1μl)を4週齢RCSラットの右眼の硝子体内にハミルトンシリンジを用いて注入した(治療眼)。左眼の硝子体内には同量の溶媒を注入した(コントロール眼)。 2)網膜電図(ERG)の記録:10週齢で両眼からERGを記録した。12時間の暗順応後に-6.0〜0.84logcd/m2の刺激光03-0.4log unit stepで調光しながら暗順応ERGを記録した。その後、34cd/m2の明順応下で明順応ERGを記録した。得られたintensi〓sponse curveからScotopic threshold response(STR)の閾値およびb波の閾値と最大応答を求めて、治療眼とコントロール眼間で比較した。 3)網膜組織:ERGの記録後に眼球を摘出し、トルイジンブルーで染色した。網膜外層に残存している視細胞の核数を20箇所で測定しその平均を求め、治療眼とコントロール眼との間で比較した。 3.結果 ERG:Hsp25治療眼では、STRおよびb波の閾値がコントロール眼に比較して有意に保たれていた。また、暗順応および明順応ERGb波の最大振幅は、治療眼でコントロール眼に比較して有意に大きかった。網膜組織:Hsp25治療眼では網膜外層の杆体および錐体の核数が、コントロール眼に比較して有意に多く残存していた。 4.結論:外因性のhsp25は、遺伝性の視細胞変性に対して保護効果を発揮した。
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