研究概要 |
(1)大網切除による腹腔内浸出細胞の変動【方法】Balb/cマウス雄5週齢の腹腔内へ注射してCD4陽性T細胞およびCD8陽性T細胞の応答をフローサイトメトリーで解析した。【方法】腹部正中切開のみ行い大網を温存した群ではCD4陽性T細胞およびCD8陽性T細胞の割合に大きな変化はみられなかったが、大網を切除した群では、術後6時間、12時間、24時間とCD4陽性T細胞は徐々に増加した。その後、CD8陽性細胞の割合は漸減して術後約7日では術前の状態に回復した。(2)LPSで刺激時の腹腔内浸出細胞のCD4陽性細胞の変動【方法】Balb/cマウス雄5週齢の腹腔内へ1ug/ml,LPSを1mlを注射して、開腹大網切除群と開腹大網非切除群において、経時的(注射後0,1,3,5,7,9日)に腹腔内浸出細胞のCD4陽性細胞の割合をフローサイトメトリーにより検討した。【方法】CD4陽性細胞の割合は注射後1日目で有意に上昇した。特に、この上昇は開腹大網非切除群で著明であった。開腹大網非切除群では注射後3日目以降CD4陽性細胞は減少傾向を示した。一方、開腹大網切除群では、術後1から5日目にかけて減少傾向を示すが、逆に術後7日目・9日目で上昇を示した。(3)チオグリコレート培地投与によるマウス腹腔内浸出細胞数の変化【方法】Balb/cマウス雄に28%チオグリコレート培地1mlを腹腔内へ投与して24時間後、48時間後の腹腔内浸出細胞数を血球計算板でカウントした。【結果】24時間後2*10^7個、48時間後1.1*10^8個であった。
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