研究課題/領域番号 |
18791332
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形成外科学
|
研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
中井 國博 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80362705)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | 眼窩下神経絞扼モデル / ATP受容体 / P2X4受容体 / 神経因性疼痛 / マクロファージ / 三叉神経損傷 / 絞扼モデル |
研究概要 |
本研究は顔面の知覚神経障害のメカニズムのうちATP受容体との関連の解明を目指したものである。その中でも近年注目されているグリア細胞に発現するATP受容体のうちP2X4受容体とその症状との関連を追うことを目標とした。昨年度にP2X4受容体の発現解析を行ったが、脊髄、三叉神経節において左右差は見られず、さらにシャム手術をした個体との疼痛行動との関連を明らかにすることは出来なかった。以上のことより、近年報告されている下肢痛モデルの脊髄のグリア細胞に特異的に発現するP2X4受容体の動向とは違い、今回の眼窩下神経の障害による神経因性疼痛では異なるメカニズムが働いている可能性が考えられた。一方、眼窩下神経におけるP2X4受容体発現解析で、全く神経に障害を与えないナイーブの個体に比べ、シャム、モデルの障害側において高発現が見られた。SSRIの投与によって疼痛閾値が高まった個体に関する解析でもその高発現は変化せず、末梢神経(眼窩下神経)におけるP2X4受容体の発現と疼痛行動は関係がない可能性が高いと考えられた。また、この高発現をもたらす由来となる細胞を免疫染色で分析を行ったところ、その解析結果よりその由来はマクロファージである可能性が考えられた。今回の結果で、神経因性疼痛のメカニズムの解明には繋がらなかったが、末梢神経におけるP2X4受容体の発現の変化より、微細な神経障害のバイオマーカーとしての可能性が期待される。今後この結果を踏まえて、P2X4受容体の発現解析がバイオマーカーとして機能する可能性の探索に繋がるものと考え、現在投稿準備中である。
|