研究概要 |
敗血症における生体内のサイトカイン・ケモカイン、細胞内リン酸化タンパク質の同時多項目定量および細胞表面上のHLA-DR、CD-14の発現量、血漿中のエンドトキシン値、可溶性CD-14値の定量を行い、敗血症におけるメディエーターネットワーク、免疫応答、治療の影響を検討した。 ビーズアレイ法にて検体10ulにて同時多項目定量ぶ可能であった。腹腔内感染症に起因する敗血症症例の手術前、手術後におけるサイトカインネットワークの変動、評価を行った、末梢血白血球数が4000/mm^3未満(LW群)と4000/mm^3以上(HW群)での比較検討を行った。IL-1β,4,5,6,8,10,G-CSF,GM-CSF,IFN,MCP1,MIP-1βは術前後を通してLW群が有意に高値であった。腹膜炎手術症例のLPS刺激によるサイトカイン産生能の検討では、IL-6,8,1β,TNF-α,IFN-γ,MIP-1βの産生が抑制されていた。 G-SCF,MCP-1,IL-10,12,13,17は抑制されていなかった。炎症性サイトカイン/抗炎症性サイトカインであるTh1系サイトカイン/Th2系サイトカインバランスの術前後において逆転することが認められた、このことは炎症反応と全身の免疫抑制状態が混在した病態を示しており、敗血症における臓器障害と易感染状態という難治性病態を形成していることが示された
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