研究課題/領域番号 |
18791404
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山田 志津香 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00363458)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 骨芽細胞 / アリザリンレッド染色 / キトサン / Ca定量法 / 間葉系幹細胞 / 分化 / アルカリフォスファターゼ |
研究概要 |
昨年度、キトサンモノマーを培地に添加して、間葉系幹細胞(MSC)のアルカリフォスファターゼ活性を測定した結果、骨芽細胞への分化に殆ど影響を与えないことが判明した。そのため、今年度はモノマーよりも分子量の大きいオリゴマー、ポリマーを用いてMSCの骨芽細胞分化に対する影響を調査した。まず、FGF添加のDMEM(10%FBS、ペニシリンストレプトマイシン添加)維持培地にて60mm皿にMSCを播種し培養を行った。細胞がコンフルエントになった時点で、一般的な骨分化誘導培地(維持培地+10^<-7>Mデキサメタゾン+10mMグリセロリン酸+50μg/mlアスコルビン酸)ならびに維持培地にモノマー、オリゴマー、ポリマーをそれぞれ添加した培地に置換した。各群とも最終濃度が0.005%、0.0005%、0.00005%になるようキトサンを添加した。培養10日、15日、20日目にアリザリンレッド染色、Ca定量法にてMSCの骨分化誘導を評価した。一般的な骨分化誘導培地において、培養10日目でMSCはアリザリンレッドにより薄く染色され、15日、20日目でいずれも濃く染色されたが、モノマー、オリゴマー、ポリマーにおいては培養10日、15日、20日目のいずれも殆ど染色されなかった。また、Ca定量に関しては一般的な骨分化誘導培地において15日、20日目で有意差が認められたが、その他のキトサン添加培地においては有意差を認めなかった。 以前の研究でヒト骨芽細胞に対してキトサンはその増殖・分化に好影響を与えたことを証明したが、本研究でキトサンはMSCの骨芽細胞分化に積極的に関与しないことが判明した。しかし同時に骨分化誘導培地にキトサンを添加しても、骨芽細胞分化は阻害されないことも確認できた。よって、キトサンは生体親和性材料としてシート状やゲル状などに成形し、細胞の足場として応用可能であると推測される。
|