研究課題/領域番号 |
18791578
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児系歯学
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
久永 豊 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (70352292)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 歯根吸収 / 破歯細胞 / 歯根膜毛細血管 / 連続切片 / 三次元再構築 / 微細構造解析 |
研究概要 |
矯正歯科臨床において遭遇する歯根吸収の発現機序を解明する目的で、破歯細胞の出現由来である歯根膜血管網に着目し、実験的負荷を全く加えない生理的状態での歯根膜血管網の分布状態(生理的歯根吸収に伴う破歯細胞出現部位を含む)を微細構造レベルで三次元的に観察した。本研究では、同一の出現経緯をもつ細胞が一方では骨吸収を担い、他方では歯根吸収を行う機能的相違の発現機序について、「両細胞の機能的相違は歯根膜毛細血管網の形態学的条件が異なる」という仮説を検証した。 実験は、生後6週齢の Sprague-Dawley 系ラットの下顎第一・第二臼歯間の歯周組織を採取し、通常の透過電顕試料作製に準じて、固定、脱水、樹詣浸透、重合を行った。その後、厚さ0.5μmで薄切した400枚の連続樹脂切片を作製し、光顕観察した。さらに、連続した光顕観察像を三次元再構築ソフト(設置備品)を用いて再構築した。 得られた三次元再構築像より、歯根膜血管が歯根と一定の距離を保ちながら、幾重にも吻合を繰り返しながら、網目状を呈した血管網を形成している様相が観察された。そして歯根吸収が認められない部位では、歯根と一定の距離を保ちながら平行に走行し、歯根吸収が認められる部位では、吸収窩に対応して併走する血管、すなわち歯根表面の凹みに対応して走行している血管がみられ、さらにこの血管から吸収窩に向かう微少な血管が観察された。 以上のことより、歯根膜内における歯根膜血管網の分布状態は、破歯細胞の出現に関与し、歯根吸収の発現に影響を与える可能性が示唆された。
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