研究概要 |
インターネットを利用した教育素材を有効活用できる学生と活用できない学生の違いを知ることを目的に、東京歯科大学第3学年の学生を対象にアンケートを行った。調査項目は,インターネット利用状況,日常生活でのインターネットの利用目的,日常の学習におけるITを利用した教育素材の利用頻度およびそれらが日常の学習に役立つかどうかの4つの内容とした。その調査結果と総義歯学教育用Webを日常の学習で役立たせることができたかどうかとの関連について,2項ロジスティック回帰分析を行った。 その結果,総義歯学教育用Webを日常の学習で役立たせることができたかどうかとインターネットの利用期間,利用場所および週当たりの利用時間との間に関連は見られなかった。しかし,総義歯学教育用Webを日常の学習で役立たせることができたかどうかと日常生活におけるインターネットでのニュースの利用との間に関連が認められた。また,総義歯学教育用Webを日常の学習で役立たせることができたかどうかと普段の学習での他のインターネットを利用した学習素材を利用しているかどうか,またそれが役立っているかどうかとの間に強い関連が認められた。 これらを総合すると,単にインターネットの利用歴や利用時間の長短ではなく,普段のインターネットの利用目的が大きくかかわっていることがわかる。つまり、コミュニティ機能やCD-ROMなど特定のコンテンツを利用しているものと,ニュースや東京歯科大学教育用Webなど自ら検索し,情報を得る作業を行っているものとの間の差であると思われる。よって,今後は学生への情報検索方法の教育のさらなる充実や情報検索の行いやすいコンテンツ作りを進める必要が示唆された。さらに,アンケート法によるインターネットを利用した教育コンテンツの評価は,調査対象者の背景と共に調査,分析をすることが重要であることが明らかになった。
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