研究概要 |
人工口腔システムを構築し、人工的に口臭を産生する環境を再現し、口臭予防剤の評価のためのinvitroシステムの構築を行った。 1)人工口腔システムの構築 透明色の塩化ビニールで作製した人工口腔の内部を37℃に維持し、人工口腔の上部にとりつけたステンレスチューブから実験溶液、細菌懸濁液、培地を滴下した。人工口腔下部のホルダーにはType Iコラーゲンをコーティングさせたカバーグラスを固定した。システム全体を嫌気性チャンバーに入れ内部を嫌気状態にし、コラーゲン上に細菌懸濁液滴下によりbiofilmを作製し、その後実験溶液(口臭予防剤)を滴下し、人工口腔内の揮発性硫黄化合物(VSC)を定量した。 2)使用菌株 菌体にはPorphyromonas gingivalis ATCC33277株を用いた。ヘミン、メナジオン含有Brain heart infusion液体培地で培養後、等張リン酸緩衝液にて濃度を調整、細菌懸濁液とした。 3)評価法 人工口腔内から気体サンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った。 4)結果・考察 人工口腔内にVSCを産生させ、実験溶液(口臭予防剤)を滴下後、VSC量は対照と比べ有意に低下した。人工的に口臭を産生する環境を再現したことにより、この人工口腔システムが口臭予防剤の評価のためのin vitroシステムに有用である可能性が示唆された。 本研究の要旨の一部はInternatioal Society for Breath Odor Reseach, Chicago, USA, August 22-24, 2007において発表した。
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