研究課題/領域番号 |
18791709
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
瀬山 留加 高崎健康福祉大学, 看護学部, 助教 (10412991)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 看護 / がん看護 / 脳腫瘍 / 家族 / 苦悩 / 尺度 / 神経膠芽腫 / 家族看護 / 尺度開発 |
研究概要 |
研究目的:脳腫瘍患者の家族が抱える苦悩の尺度を開発する。 研究成果: (1)平成18年度において対象者不足であった調査研究を継続し、質的帰納的分析を行ったが、構成概念の基礎データとなりうるカテゴリーがすでに抽出されていた《難治性のがんであることに関連した苦悩》《家族の‘らしさ'が失われることに関連した苦悩》《がん患者の家族として悲嘆のプロセスの中にある苦悩》と同様であった。 (2)苦悩の内容が一般化されたと判断し、概念分析の結果とふまえて具体的な質問項目を設定したが、専門家からのスーパーバイズとして療養過程のすべての時期で同様の苦悩を抱えるか否かが不明であるため、縦断的な調査研究を行う必要性についての示唆を得た。 (3)それを受け、診断時・在宅療養時・終末期の最低3回縦断的面接を行い、脳腫瘍患者の家族の療養過程における心理的なプロセスを修正版グラウンデッドセオリーによって明らかにした。その結果、入院・診断・集学的治療の開始からプロセスははじまり、【家族ががんであるという現実への苦しみ】を臨終時まで抱えたまま【絶望から患者を支える家族員へと成長する体験】【永遠の別れを予感しながら悲しみをぬぐう体験】を経ていた。2つの体験の間にも在宅療養と腫瘍の増大による高次機能障害を抱える患者と向き合わなければならず、全プロセスにおいて【患者の死に対する覚悟の境地】【覚悟を後押しする因子】【覚悟をゆるがす因子】の存在が明らかとなった。常に家族が抱えていた苦しみである【家族ががんであるという現実への苦しみ】は〔迫りくる家族との別れに対する悲哀〕〔家族としてすべきことへの苦悶〕〔弱弱しい患者を認識することで生じる悲しみ〕の3概念を含んでおり、(1)と類似したものであることから尺度がすべての療養過程で使用可能であることが証明された。 以上の経過をふまえて今後は質問紙の作成、予備調査、本調査を行うこととする。
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