研究課題/領域番号 |
18800002
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
永井 展裕 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 特任助教 (30400039)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,780千円 (直接経費: 2,780千円)
2007年度: 1,390千円 (直接経費: 1,390千円)
2006年度: 1,390千円 (直接経費: 1,390千円)
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キーワード | 細胞シート / 歯根膜細胞 / 重層化 / サケコラーゲン / コラゲナーゼ / 血管内皮細胞 / 血管新生 / 人工歯根膜 / 歯根膜 / 伸展培養 / コラーゲン / 鮭 / 細胞配向 |
研究概要 |
本研究は、鮭皮コラーゲンを用いて作製した歯根膜細胞シートを3枚重層化し、かつこの重層化組織を伸展培養することによって細胞配向させた生体擬似人工歯根膜を作製することを目的とした。H18年度は細胞シート化条件と重層化方法を検討した結果、歯根膜細胞シート3枚を重層化することによって人工歯根膜様組織を作製できることを報告した。一方、組織内部で栄養・酸素不足に伴う壊死が起こっていることが確認された。そこでH19年度はまず内部壊死を改善するために、組織内部に血管網を導入する検討を行った。予備試験において、血管内皮細胞(human umbilical vein endothelial cells; HUVEC)は歯根膜細胞(human periodontal ligament cells; HPDL)上で血管新生因子(VEGF,FGF)を含む血管新生培地(EGM-2)を用いて共培養したときのみ、毛細血管様のキャピラリーを形成することがわかった。そこで、HPDLとHUVECをEGM-2で共培養した後に細胞シート化し、この共培養シートを3枚重層化してEGM-2で培養した。その結果、重層化組織内部にはCD31抗体反応陽性のHUVECが組織全体に観察された。また一部にキャピラリー様のHUVCEが見られた。さらにヘマトキシリンエオシン染色から、HUVEC共培養組織はHUVECなしの組織に比べて内部の細胞密度が高く、壊死が改善されている傾向にあった。また、マッソントリクローム染色から、HUVEC共培養組織の内部に豊富なマトリックス産生が観察された。以上より、HUVEC共培養によって内部壊死を改善した人工歯根膜を作成できることが示唆された。次にこの人工歯根膜の伸展培養を行う予定であったが、壊死改善検討に時間を要したため行うことができなかった。しかしながら、内部にHUVECを有する人工歯根膜組織の開発例はなく、学術的に新規な成果を得たと考えている。
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