研究課題
若手研究(スタートアップ)
聴覚システムは、3つの短音によってできる2つの時間間隔の長さの差が-80ms〓T1-T2〓+40msの範囲において、実際の時間間隔は異なるにも関わらずその2つの時間簡隔を等しく見積もる傾向を有している。この現象は「聴覚的同化」とよばれ、類似した現象として「1:1カテゴリ」、「時間縮小錯覚」などの聴覚的錯覚が報告されている。本研究では、時間知覚および聴覚的同化に関わる脳活動を検証する事を目的とし、事象関連電位(event-related brain potentials:ERPs)を用いた電気生理学的検討を行った。今年度の成果として、以下の点が明らかとなった。(a)心理課題において、先行研究と同様の時間範囲(-80ms〓T1-T2〓+40ms)で非対称的な聴覚的同化現象が生じ、現象の頑健性が確認された。(b)ERPにおいて、時間判断時に右前頭部が活性化することが示された。この結果は、認知的時間判断に前頭前野背外側部(Dorsolateral prefrontal cortex)が関与するという過去の研究と一致する。(c)二つの時間間隔の大まかな等時性についての判断は、刺激終了後0msから200msまでの区間における上記時間知覚関連部位の活動の減少に対応することが示された。しかしながら、本研究の結果からは、聴覚的同化の非対称性については説明できない。先行研究によると、聴覚における知覚的同化は、音パタンに対する即時的な処理と、その後のより高次の処理(T1の記憶とその後現れるT2との時間差の比較)段階との2つの過程を経て生じると考えられている。さらに、即時的処理によってT2に過小評価が生じることも示されている。これらの段階的な処理を仮定し、右前頭前野の活動をより詳しく検討することにより、聴覚における時間同化の非対称性に対応する脳の部位を検証することも可能である。
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