研究概要 |
【研究目的】 ○児童・生徒の各年齢、男女別の骨格筋量を定量し、標準値を作成する。 ○超音波Bモード法で測定した筋組識の厚みから骨格筋量を推定する式を作成する。 【研究方法】 ○対象者:6歳から18歳までの健康な児童・生徒男女100名を目標とした。 ○MRI測定および画像分析:全身の連続横断画像(1cm刻み)をMRI装置(現有装置:GE社製Signa 1.5-T、早稲田大学)を用いて撮影し、得られた画像から骨格筋体積を解析ソフトにて分析した。 ○超音波Bモード法による全身筋組識厚の測定:超音波Bモード装置(現有装置:アロカ社製SSD-1000、早稲田大学)を用いて、骨格筋の筋組織厚の分布状態を測定し、全身および部位別骨格筋量の簡易推定式作成の有効なパラメーターとして利用した。 【研究成果】 ○思春期前(平均年齢9歳)の全身骨格筋量は、男子9.2kg、女子10.8kgであった。思春期後(平均年齢14歳)の全身骨格筋量は、男子20.0kg、女子14.6kgであり、先行研究(Abe, et. al.Br J Sports Med,2003)で報告されている成人(平均年齢21歳)の全身骨格筋量(男性22.3kg、女性13.5kg)にほぼ到達していることが明らかとなった。 ○超音波Bモード法による成人の骨格筋量推定式(Sanada, et. al.Eur J Appl Phvsiol,2006)の子どもへの応用の可能性について検討した。その結果、思春期後の子どもの全身および部位別骨格筋量は、グループレベルで比較的高い精度で推定できることが示唆された。一方、思春期前の子どもの骨格筋量の推定精度は低下したため、子どもに特化した推定式を現在作成中である(MRデータの分析に多大な時間が掛かっているため)。
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