研究課題/領域番号 |
18810009
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岸村 顕広 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (70422326)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | マイクロ・ナノデバイス / 自己組織化 / ポリイオンコンプレックス / ベシクル / ブロック共重合体 / 半透過性 / ナノリアクター / タンパク質デリバリー / プロテインデリバリー |
研究概要 |
平成19年度は、前年度確立したポリイオンコンプレックス型高分子中空集合体PICsomeの形成手法を応用してPICsome内への機能性タンパク質封入に成功し、世界で初めてPICsome型ナノ/マイクロリアクターを構築するに至り、その成果は国際的に評価の高い論文誌Angewandte Chemie International Editionに速報として掲載された。またその業績に関連して、国際シンポジウムSwiss-Japan Symposium on Nanobio 2007,及びYoung Scientists Symposium on Nanoscale Devices & Systemsにおいて招待講演、さらにはカーネギーメロン大学からセミナーの依頼を受け講演を行った。以下、研究計画に即してそれ以外の成果を記す。 1.生体内機能分子を内包するPICsomeの生体内機能評価:生体内でナノデバイスとして機能させることを目指し、生体内での送達システムとしてふさわしい100nm程度のサイズのPICsomeの調製手法を新規開発し、その成果の一部を日本化学会などで発表した。 2.架橋技術を利用したPICsomeの安定化:PICsomeの自律安定性の向上を目指し、粒子調製後に架橋剤を作用させる実験を行った。これまでに、サイズ変化の抑制に成功しており、これはサイズ制御技術の観点から非常に重要性が高い。 3.還元環境応答型PICsomeの構築:PEGセグメントとポリイオンセグメントを、還元雰囲気下で開裂するジスルフィド結合でつないだブロックコポリマーを合成し、還元環境に応答して粒子の形態が変化するPICナノ粒子の創製に成功した。 4.酸性環境応答型PICsomeの構築:これまでに得られているPICsomeのpH応答性に関して詳細に検討を行い、pHの減少に応答して物質透過性が増大し、最終的にpH5以下で粒子が崩壊するという重要な性質を見出した。これらの性質は生体内での環境応答的デリバリーシステムに有用である。
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