研究課題/領域番号 |
18810023
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価・環境政策
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小松 光 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (70432953)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2007年度: 1,450千円 (直接経費: 1,450千円)
2006年度: 1,450千円 (直接経費: 1,450千円)
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キーワード | 人工林 / 管理 / 水資源 / 蒸発散 / 森林 / 影響評価 |
研究概要 |
申請者の研究の目標は、(1)人工林管理による流水量の増加を定量化すること、また(2)その増加量を人工林管理にかかるコストと比較して、人工林管理による水資源確保の有効性と限界を明らかにすることである。 昨年度(1)に関して既存の研究結果をレビューから仮説を作成した。その仮説とは、人工林管理によって1000本ha-1立木密度が変化すると仮定した場合、年流出水量の増加は年降水量の5%程度となる、というものであった。 本年度は、御手洗水試験地など8試験地における流域水収支計測、蒸散計測の結果をもとにして、仮説を検証した。仮説は8試験地のうち7試験地において妥当であることが明らかとなった。残りの1試験地において、仮説と計測結果に相違が認められたが、その相違は当該試験地における間伐の方法の特殊性によるものとして理解可能であった。これにより仮説の妥当性が示され、研究のうち(1)に関する部分が完遂された。 上記の(1)に関する結果をもとに、全国の一級河川流城を対象として間伐による水資源量の増加を見積もった。同時に、人口データなどをもとに水需要量を算出して、見積もられた水資源量の増加を比較した。その結果、水不足のほとんど生じることのない流域において、水資源量の増加は需要に対して大きい割合を占めるものの(ほとんどの流域で50%以上)、水不足のしばしば生じる流域において、水資源量の増加は需要に対して小さな割合を占めるにすぎない(すべての流域で10%以下)ことが明らかとなった。このことから、水資源量の増加のために間伐を行うことの効果は限定的であることが明らかとなった。
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